ホームヘルパーの資格と就職

資格の取得方法

  訪問介護員(ホームヘルパー)の資格を得るには、自治体、社会福祉協議会、各種団体、株式会社などさまざまなところで実施している「介護職員初任者研修課程」を修了することが必要です。

  この養成研修は、都道府県知事などが実施機関を指定し、全国的に決められたカリキュラムのもとに行われるもので、130時間の講義及び演習を通じて介護業務に従事するに当たって必要となる基礎知識や介護におけるコミュニケーション技術、身体介護の方法などについて学びます。


<介護職員初任者研修カリキュラム>


区分

科目

時間数

備考

講義及び演習

 

 

 

 

 

 

 

 

職務の理解

6

講義と演習を一体で実施すること。

必要に応じて、施設の見学等の実習を活用すること。

介護における尊厳の保持・自立支援

9

講義と演習を一体で実施すること。

介護の基本

6

 

介護・福祉サービスの理解と医療との連携

9

 

介護におけるコミュニケーション技術

6

 

老化の理解

6

 

認知症の理解

6

 

障害の理解

3

 

こころとからだのしくみと生活支援技術

75

講義と演習を一体で実施すること。

介護に必要な基礎的知識の確認及び生活支援技術の習得状況の確認を行うこと。

振り返り

4

講義と演習を一体で実施すること。

必要に応じて、施設の見学等の実習を活用すること。

合計

130

 

 ※上記とは別に、筆記試験による修了評価(1時間程度)を実施します。



 介護職員初任者研修は、訪問介護に限らず、介護に従事する人の基礎的な研修として位置づけられており、これを修了することで、介護の基本的な知識や技術、そして考え方の過程を理解することができます。

 なお、平成24年度まで実施されていた「訪問介護員養成研修(ホームヘルパー1級、2級)」及び「介護職員基礎研修」修了者も「介護職員初任者研修課程」修了と同等にみなされ、引き続き訪問介護員として従事することができます。

 介護職員初任者研修の実施機関は多岐にわたっており、また研修費用(すべて自己負担になっている場合と一部自己負担になっている場合とがあります)、実施時期もさまざまです。また、訪問介護事業所自身が研修を実施している場合もあります。

 研修実施機関は都道府県が指定していますので、まずはお住まいの都道府県庁の担当課(多くの場合は介護保険所管の部・課)に照会してみるとよいでしょう。



就職

 「勤務形態」で述べたように、非常勤職員が多いことから、最初から正規・常勤職員という求人は少ない状況にありますが、ニーズの高まりを受けて、求人数全体は多い状況が続いています。

 求人は、福祉人材センター・福祉人材バンクホームページで見ることができるほか、最近は、就職情報誌にも載るようになっています。パート職員の場合は、事業所に近い人を採用したいとの意向があることから、新聞の折込広告にも相当数出ています。

 勤務形態が変則的であることから、実際の就職先の選定にあたっては、とくに、勤務時間(記録や研修の時間の取り扱いも含む)、時給の考え方(ケアをしている時間と移動時間の単価が異なる場合等があります)をよく確かめることをおすすめします。


 ホームヘルプの事業所の実施主体は、社会福祉法人、医療法人、生協、農協、NPO、有限会社、株式会社等さまざまです。どこも、ホームヘルプ事業を適切に実施するという点では変わりませんが、それぞれの法人の種類により個性もあります。経営の考え方や研修体制などを聞いてみることも、希望に合った事業所を探すうえで参考になるでしょう。



実務者研修

 平成291月に行われる介護福祉士国家試験から、現任のホームヘルパーが介護福祉士資格を取得するためには、3年以上の実務経験を経たうえで「実務者研修」を受講し、国家試験を受験することとなります。

 「実務者研修」の受講時間数は合計450時間となっています。ただし、過去に「介護職員初任者研修」「訪問介護員養成研修(1級~3級)」「介護職員基礎研修」「その他の全国研修(認知症介護実践者研修、喀痰吸引研修等)」を受講した場合は、研修課程の一部が免除されます。実務者研修の実施機関については、都道府県が指定していますので、お住まいの都道府県庁の担当課にお問い合わせください。


サービス提供責任者

 サービス提供責任者は、訪問介護事業所に必ず配置され、利用予定者の自宅に訪問してアセスメントを行い、具体的なホームヘルプサービスの内容や支援方法を決定することやヘルパーの方々の指導、育成などを行ったりすることが主な業務です。

サービス提供責任者になるには、下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

・介護福祉士の資格取得者

・実務者研修修了者

・平成25331日までにヘルパー1級を取得した者

・平成25331日までに介護職員基礎研修を修了した者